ソフトウェアエンジニアのためのMBA - @Seattle 2012冬学期まとめ

University of Washington (UW)でのTechnology Management MBAの最初のQuarterが先週終了した。自分自身の整理を兼ねてその紹介と感想など。

• 概要
2クラス36名ずつ、合計72名。社会人MBAなので年齢層は高めかつ幅が広い。シアトルという土地柄とTechnology Management MBAというコース名が手伝って、IT系の人が非常に多い。"Memory leakを知っている人?"という質問でクラスの8割が手を挙げるMBAコースというのはなかなかないと思う。ざっと有名どころの人数を数えてみたら内訳はこんな感じだった。

- Microsoft 19
- amazon 5
- Google 1
- Apple1
- Boeing 4
- T-mobile 2
- Starbucks 2
- Nintendo USA 1

さすがMSの本場というだけあり、クラスの1/4がMSという計算。自己紹介もMSの人は部署名まで言うのが浸透していた。(XBoxとか、office 365とか)"Technology Management"を学ぶMBAではなく、 "Technology Management"の人向けのMBAということで、コース自体の内容は会計、ファイナンス、戦略などいわゆるMBAの基礎の授業内容が多く、その中で取り上げる事例が技術系(IT系)の話が多数出てくるというかたちになっている。

日本人はこちらでずっとすごしていたGEの方とMS本社に転籍になった方とあわせて合計3人。それでも想像より多かったのだが、これに加えてMSKK(マイクロソフト日本法人)や任天堂で働いていて日本語ペラペラの人がいる。インド、中国はもちろん、エジプト、メキシコ、ブラジルと、人数の少なさと社会人向け(つまり地元の人中心)であることを考慮すると、国際色もかなり豊かだと思う。

Study Groupが形成されて、グループ課題などはそのチームで行うことになる。人数比を反映して自分のチームも5人中2人がMS出身。その流れでグループワークはすべてSkyDrive  + OneNoteで管理し、電話会議はMicrosoft Lync を利用するということになった。最初はSkyDriveか...という印象だったのが使い始めたら実は非常に使いやすく(特にOneNoteとの連携は最強)、MS をかなり見なおした、というのは別の話としてある。

- 授業内容
先のQuarterは大きく3つのクラスがあった。このコースではすべて必修科目で、選択科目は存在しない。

• TMMBA-501-microeconomics
いわゆるミクロ経済学。内容自体は基礎的なもので、需給曲線、限界費用、生産者利潤など。大学ではやったことがなかったので新鮮だった。演習を二次関数の微分で解いて持っていったら他のチームメンバーからは奇妙なものを見るような目で見られたので、日本の基礎教育は捨てたものではない。

• TMMBA-502-FinancialReporting
基礎会計。この授業が先のQuarterでは一番の当たりだった。基本的な簿記から財務諸表の読み方までをみっちりやってくれ、自分もひと通り読める(少なくとも何が書いてあるかはわかる)ようになった。学生の興味が考慮されていて、ケースの題材が面白い。マイクロソフトにおけるソフトウェアの会計処理の工夫、AmazonとEbayの財務体質の違い、GrouponのIPO前の会計操作の解釈、Starbacksの店舗のリース処理についてなど。期末テストはAppleの財務諸表についてだった。あの雰囲気だと来年はFacebookのIPOに絡んだ話が出てくるのはまず間違いない気がする。

• TMMBA-503-StatisticalAnalysis
基礎統計。確率分布から推定、検定、回帰分析まで。教養時代にやった内容をうっすら覚えていたおかげで、気分的には復習だった。Excelのレベルが上がった。


- その他
• MBA英語 への慣れや、たとえ英語がしょぼくても気合で乗り切るというパワーがまだないのが課題。聞き取りの方はほぼ問題ないのだが、会社で使う英語とは文脈も単語も違うので、1年前の仕事始めに感じたもどかしさをまた感じることになった。話題の切り替えも早いし。
- 授業時間自体はフルタイムのMBAより少ないものの、仕事との兼ね合いでの時間管理がたまに厳しい。土曜は隔週で7時起き>4時まで授業だし、平日はよろよろと帰ってきて宿題をしている最中に寝落ち、というのもしばしば。体力が重要。
- 課題を2つ書いてしまったけれど、アメリカの大学院留学はひとつ憧れだったので、こういう形で実現できているのは素直に楽しい。
次のQuarter(3ヶ月)の教科書と事前課題の量はこんな感じ。土日をほぼまるまる使って対応しているけど、家族のある人はそちらとの兼ね合いがいろいろと大変そうである。




フルタイムと同じ学生VISAも出してくれるという話も聞いたので、これに出願して昼間にインターンで働いてそれをきっかけにUSでの仕事を得る、というのが選択肢になる人もいるのかな、と思った。(できるのかは知らないけれど)

OneNoteは本当におすすめ。仕事でも4年使った紙Copiに代わり自分のProject Managementの必須ツールとして定着した。SkyDrive (そして仕事ならOutlook)との組み合わせはEvernote以上の使いやすさだと思う。

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